軽部学長のきらっとひらめきコラム

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[2013年度]第11回「大学で学ぶ意義とは何か?夢を叶えるための、知識・技術・人間的成長について。」

2014年3月14日掲出

 皆さん、こんにちは。このコラムもとうとう最終回を迎えました。今回は、これから大学生活を始める皆さんに向けて、大学で学ぶ意義について、お話ししたいと思います。

 大学で学ぶ意義とは、結論から言えば、将来、自分の夢を実現するための力を養うことだと言えます。大学での4年間の学びを通して、学生は専門知識や技術を身につけ、自分の夢を実現するために就職という形で社会へと巣立っていくわけです。ただ、夢を実現するには、単に学問を修めて知識や技術を身につけただけでは、十分ではありません。では他に何が必要かというと、人間的な成長です。もっと具体的に言えば、社会で生きていくための社会人としての基礎力を養うことが欠かせないのです。

 以前にもお話ししましたが、本学では3つの教育目標を掲げています。ひとつは、国際的な教養を身につけること。2つめが“critical thinking”(批判的思考)ができるようになること。そして3つめが、創造力を身につけることです。この3つの能力を養うことが、本学の掲げる“実学主義教育”であり、本学で学ぶ意義だと言えます。そして、本学ではそれらを身につける過程において、自然と人間的な成長が促され、社会に出て必要となる基礎力を養うことができるようになっているのです。

 例えば、本学で力を入れている<ACTIVEラーニング>。 例えば“PBL”(Project based learning)もその1つです。PBL”は、グループワークを通じて、学生自らが問題を発見し、解決していくという教育手法ですが、これを本学では1年次から取り入れています。1年生対象の「フレッシャーズゼミ」で簡単な課題から取り組み始め、少しずつハードルを上げていくわけです。また、優秀な活動を修めた学生には、学長賞を授与するなど、学生の積極的な取り組みを推奨しています。学生は“PBL”の中で、仲間と一緒にプロジェクトないしプロブレムに挑みながら、実践の中でコミュニケーション力や論理的思考を身につけ、プレゼンテーション能力や質疑応答に応えられる力を養い、次なる課題にチャレンジするということを繰り返して人間的成長を遂げていきます。このように本学では、知識や技術だけでなく、問題を発見し、解決できるようになって初めて、社会人としての基礎力が身についたと見なし、卒業を認めるようにしているのです。

 また、人間的な成長の中には、柔軟な思考を持つことも含まれています。ご承知のように夢を実現することは、そう簡単ではありません。皆さんより年長者という立場から言わせてもらえば、人生では思うようにいかないことの方が圧倒的に多いのです。将来、自分はこうなりたいと強く思い描いていても、残念ながらそれが叶わないこともあります。私の話をすれば、もともとは船乗りになるという夢がありましたが、それを諦めなければならなかったとき、バイオテクノロジーの研究という新しい夢が生まれました。その後もいろいろと取捨選択に迫られることはありましたが、その都度、柔軟に捉え、切り替えてきたからこそ、ここまで歩んでこられたのだと思います。逆に言えば、柔軟な考え方ができなれば、壁にぶつかったまま立ち往生しかねないのです。ですから大学時代には、学問やさまざまな経験を通して、柔軟な発想をする習慣を身につけてほしいと思います。

 グローバル化が進む現代では、多くの企業が国際的に通用する人材の育成を、大学に強く求めています。それに伴い、今後、日本の大学は、今まで以上に卒業要件が厳しくなる見通しです。ですから大学入学後も気を緩めることなく、自分の専門分野をしっかりと学び、社会人基礎力を存分に養って、いずれ社会で大いに活躍する人となれるように頑張ってください。それでは、1年間のおつきあい、ありがとうございました。4月にキャンパスでお目にかかれることを楽しみにしています!