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[2015年度]第2回「東京工科大学が掲げる今年度の目標―退学者を減らすためのチャレンジ」

2015年6月12日掲出

 皆さん、こんにちは。今日は前回に引き続き、東京工科大学の今年度の目標について、取り上げたいと思います。

 今年度も私たちは色々な改革に取り組んでいくつもりですが、その中でも特に力を入れたいと考えているのが、学生の留年や退学者の数を減らすことです。入学前の皆さんに話すのも何ですが、どこの大学でも留年や退学をする学生は一定数、存在しています。残念ながら、本学も例外ではありません。

 では、学生がなぜそのような選択をするのかと言うと、個別の理由があるにせよ、大半は授業についていけないというのが真相のようです。しかし、学生が授業についていけないということは、教育する側の責任でもあるわけですから、大学がそのまま放っておいて良いはずがありません。そこで今年度から本学では、そういった学生を教員がフォローするポイントを明確にし、各教員がきちんと対策に取り組んだかどうかを評価する体制を取り入れようと考えています。

 フォローするポイントは4つあります。

 一つ目は、アドバイザーの立場にある教員が学生カルテをきちんと管理し対応すること。本学は学内の情報をすべてクラウド化しており、学生一人ひとりの履修科目やその出欠状況、成績をカルテとして一元管理しています。その学生カルテを教員がきちんと把握して、例えば休みが続いている学生には連絡をとって理由を尋ねるなど、個別に対応してもらっています。

 二つ目は、単位を落とした学生へのフォローです。例えば、1年次で履修した卒業に関わる必修科目の単位を取得できなかった場合、これまでは2年次でその科目を再履修することになっていました。しかし、2年次は2年次で履修しなければならない科目がたくさんあって忙しいわけですから、1年次に落とした単位を取り返すことは、そう簡単ではありません。そうなると学生が途中で諦めて、だんだんと授業に出席しなくなるという悪循環が始まります。そこで単位を落とした学生には、その年度内に再試験やレポート提出といった形で再チャレンジする機会を与え、救済措置を取るようにしてもらいます。

 三つ目は、就職活動のフォローです。学生が就職できるよう、キャリアサポートセンターや就職担当教員だけでなく、アドバイザーの教員にもしっかり面倒を見てもらいます。

 四つ目は、卒業研究を修了できるようフォローすることです。実は4年次になって卒業研究に取り組み始めたものの、研究がまとまらなかったり論文の提出期限を守れなかったりという理由で、約5%の学生が単位を落としています。4年次まで進学してきて、そこで脱落してしまうのは、非常にもったいないことです。中には就職先が決まっている学生もいますからね。もちろん学生の卒業研究の質が卒業要件を満たしていなければ、教員も単位を与えられないということはあるのですが、その場合、教員の指導が適切であったかどうかという点も考慮すべきではないかと思います。つまり、卒業要件を満たす研究レベルにまで導くことは、指導教員の責任でもあるわけです。その点を重視して、学生がきちんと卒業できるような指導を徹底してもらいます。

 これら4つのポイントは何も特別なことではなく、従来から教員が行ってきたことです。それをあえて明確化し、教員が今以上に積極的に退学や留年の兆しが見られる学生に接することで、その数を減らしたいと考えています。やはり入学した限りは最後まで面倒を見るというのが、本学の掲げる“ベストケア”のひとつだと思いますから。

 今年度も東京工科大学は、こうした新しい取り組みによって、一層、教育力を強化させるつもりでいます。