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[2016年度]第3回 教養学環について② ― 東京工科大学の「教養スタンダード」

2016年7月8日掲出

 皆さん、こんにちは。今日は前回に引き続き、本学の「教養学環」で学ぶ内容について具体的にお話ししましょう。

 前回も紹介しましたが、教養学環の科目群は「人文・社会系」「外国語系」「情報・数理・自然科学系」「心身ウェルネス・社会人基礎系」の4分野。これらを学部の枠をこえて学べるカリキュラムとして構成し、アクティブ・ラーニングや少人数教育、習熟度別のクラス編成や学修支援などきめ細かい教育手法によって学んでいきます。  こうしたカリキュラムは教養学環専任の先生方が話し合い、「学生たちにはこれだけの教養を身につけて欲しい」として定めたもので、本学では「教養スタンダード」と呼んでいます。2014年にはグローバル化時代に適した教養教育について議論が進められ、それがあれば世界中、どこへいってもなんとかやっていけるだろうという「国際教養スタンダード」を策定。それに従って教育が行われています。

 たとえば本学の英語教育が目指しているのは「実践的な語学レベル」の修得。簡単に言えば「シェイクスピアが読める」のではなく、「会話ができる」「コミュニケーションがとれる」といった実践的な英語力を身につけることです。
 外国語というのは、とにかくネイティブな人と交流することが上達の一番の近道。これは私自身が20代の終わりに初めてアメリカ留学をした際に実感したことです。ネイティブ・スピーカーと話をすることで、自分の英語が通じるのか通じないのかを判断し、どうやったらうまく会話ができるようになるかを実践的に学んでいく。そのため、本学では1年次からネイティブ・スピーカーと接触できるように、蒲田キャンパスの英語教員はほぼ100%ネイティブ・スピーカーです。八王子キャンパスはまだは3〜4割程度ですが、それも今後はさらに増やしていく予定です。

 また、これからの社会で重要な「国際性を身につける」ため、イギリスへの語学研修に加え、アメリカでの海外研修も新設しました。インターンとしてアメリカの企業で実際に仕事をするようなプログラムも考えています。こうした体験を通して、インターナショナルな感覚を肌で感じることができるでしょう。  社会人基礎科目では、仕事とはなんなのか、なぜ人間は仕事をするのか、そのためにはどんな能力が必要なのか、といったことも学びます。さらに実践的に、たとえば佐渡島のトキ飼育センターでのボランティア活動に参加してレポートを書き、それを単位として認める「サービスラーニング実習」といった授業もあります。

 このように人文・社会学系の知識や国際的な教養だけではなく、キャリアデザインまで含めた教育を行い、そのなかで創造性や倫理観、人間性などを身につけて欲しい。その結果、国際的な教養、語学力、社会人基礎力を兼ね備えた、いわば「人間力のある」人材に成長して欲しい。それが「教養学環」設立の願いでもあるのです。