日常の暮らしや働く場で使用する製品を一つの素材とみなし、それらの用途と価値を変えることで新しいモノをデザインする提案である。モノには用途が付与されているが、人々がリメイクやリサイクルすることで新たな用途や価値を与えることができる。
修了制作では、椅子の制作を主とし、椅子とその素材に新たな用途と価値を与えるアイデアとしての作品を制作した。
モノを介して気配が人に与える影匿や行動を重視し、離れた場所に居る者同士のコミュニケーションの可能性を探る提案である。
修了制作では、照明やその周辺で起きる現象を離れた場所にいる家族の気配として受け取ることで、家族の存在を近くに感じる仕組みであり、「モノを通じた人との関係」を重視した新たなコミュニケーションのプロダクトとして作品を制作した。
コ・ワーキングスペースで効果的に使用することができる家具デザインについての提案である。利用者、運営者と社会の視点から、新たなデザイン方法でコミュニケーションとプライバシーの両立、レイアウトの可変性、コストの軽減、資源の無駄、さらに新型コロナウイルス感染症による対応などの課題を改善するために、「私域」と名付けた可変式家具を3DCGと模型により検証し提案した。
人々のモノに対する価値観の低下を回復することができる生活雑貨の提案である。現在、好きなモノを好きな時に買える時代であることから、モノの多くは簡単に廃棄される傾向にあり、モノが大切に扱われにくい環境といえる。修了制作では、生活雑貨の魅力と「擬人化」に期待できる心理的な効果に注目し、モノに対する価値観の回復を見込める作品を制作した。
日本における「アンビエント広告」は、欧米とは異なる広告取引の仕組みから未だ前例は少ない。また印刷媒体は実際に触れることができ、直に相手へ情報を届けることができる魅力がある。そこで、社会でよりアンビエント広告が用いられるよう、印刷媒体を用いたグラフィックデザインと環境のみで成り立つ効果的な宣伝方法を追求し、インタラクティブな視覚効果によるアンビエント広告を制作した。
呼吸を利用して、手の不自由な人々にとって、より多くの日常的な行為を可能なものとすることを目的としたデザインの提案である。呼吸機能が生活にかかわる行為と融合することで、新しいインタラクションがそこに生まれると考える。手の不自由な人々の生活について調査と分析を行い機能としての価値を生み出し、生活用吊をコントロールできるプロダクトデザインの作品を制作した。