片柳研究所 東京工科大学

研究センター

ポリエチレングリコール(PEG)修飾ラクトフェリンの開発と創薬への展開

概要
ラクトフェリン(LF)とは、哺乳動物のミルクに含まれる多機能性の健康食品です。LFの作用は多岐にわたり、例えば脂質代謝改善、鎮痛・抗ストレス、抗炎症、C型肝炎ウイルスに対する抗ウイルス作用、歯周病に対する効果、骨形成、癌の予防/治療など様々な効果が科学論文に報告されています。
しかし、LFは蛋白質であるため、経口摂取した場合は胃に含まれる消化液で分解されてしまいます。さらに、血液中でも分解されやすく、その機能が十分に発揮されにくいという問題点がありました。そこで、医薬品開発で用いられる蛋白質安定化技術であるポリエチレングリコール(PEG)修飾法に着目して研究を進めています。現在、腸からの吸収効率、および体内での安定性が飛躍的に向上したPEGラクトフェリンの開発に成功しています。このプロジェクトでは、健康食品であるLFを安定化して、医薬品として開発することが目標です。

*本プロジェクトは(独)新エネルギー・産業技術総合開発機 (NEDO)、平成17年度 大学発事業創出実用化研究開発費助成金により推進しております。

ラクトフェリンの表面にPEGを結合
ラクトフェリンの表面にPEGを結合
安定化したPEGラクトフェリン
安定化したPEGラクトフェリン
■研究担当者:佐藤 淳
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