研究センター
■概要 クリエイティブ・ラボでは、アニメーションをはじめとする映像コンテンツの制作工程をディジタル技術で統合し、良質な作品を効率よく作成可能とするシステムの開発をめざしています。また、システムの有効性を確認するための実証コンテンツの制作にも力を入れています。研究体制の面では、外部企業の研究員が参加する「クリエイティブ・コンソーシアム」を組織している点に大きな特長があるといえるでしょう。このコンソーシアムを通じて、企業の要請に基づく実証研究や技術サポートを行ったり、産学間で情報交換を進めるほか、ビジネスの現場への研究者・大学院生の派遣といった人的交流まで積極的に推進します。このようなクリエイティブ・ラボの革新的取り組みは、学内外より高く評価されており、文部科学省のオープン・リサーチ・センター整備事業の選定も受けています。 <クリエイティブ・コンソーシアムとは> 「良質なコンテンツを安く、きれいに、目的通りに制作し、制作者の時間をクリエイティブな部分に集中出来るようにする。」という目標のもとに、産学官協調の研究組織として2002年4月に発足したものです。
*ヨーカイ 南カリフォルニア大学シネマティック・アーツ学部との共同研究で、同じストーリ、設定、デザインを元に東京工科大学と南カリフォルニア大学とでそれぞれに制作を行い、双方の違いを比較分析することを目的としています。 ■背景・意義 ディジタル映像コンテンツの制作と運用に関する技術は、映画・テレビなどのエンターテイメント分野ばかりでなく、教育、トレーニング、報道等に幅広く利用されています。コンテンツビジネスには芸術から最新のIT技術まで多種多様な技能や人材が求められることから、その国の総合的な文化レベルを映し出す産業ともいわれています。今まで日本は、アニメーションやゲームといった分野で世界トップレベルの地位を確保してきましたが、中国や韓国などが国家的支援を背景に成長してきたことで競争が激化しつつあります。こうした状況のもと、映像コンテンツ制作の全プロセスをディジタル技術で一元コントロールし、その技術を制作段階だけでなく、映像コンテンツの運用段階にも利用できるようにして作業効率の向上や大幅なコストダウンを可能とするシステムを開発することは、日本のコンテンツ産業の将来にとって多大な意義を持つといえます。特に脚本や演出など、これまでディジタル技術の応用がむずかしいとされてきた分野やコンテンツ完成後の運用面まで視野に入れた一元化構想は世界的にも珍しいものです。