大山学長のホッとブレイク

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学長コラム第4回「2023年度入試に“総合型選抜(探究成果発表入試)”を新設」

2022年7月22日掲出

 みなさん、こんにちは。学長の大山です。今回は、本学が2023年度入試で新たに導入する総合型選抜「探究成果発表入試」について取り上げましょう。
 そもそも大学とは、「人々が集い、学び、研究し、人を育て、人が育つ場」です。そこは、学力を身につけ、社会に適応して生きられる力や生涯学び続ける力を身につける場でもあります。一方、社会は様々な能力を持つ人たちで構成されています。それゆえに、大学もその社会に適応できるよう、多様な場である必要があるのです。学ぶ意思を持つ、多様な人々が本学に集い、共に切磋琢磨して学んでほしい。そういう大学にしたいという思いから、本学では多様な入試を設けています。
例えば、みなさんの中には、覚えることが得意な人、知識を応用することが得意な人、自分で考えることが得意な人、自分でやってみることが得意な人と、色々な“得意”を持つ人がいることでしょう。そういう人たちの力を紋切り型の入試で評価するのではなく、それぞれの力を測るのに適した入試で評価したい。その一環で本学は、今回、総合型選抜※の入試区分として「探究成果発表入試」を新設しました。 (※総合型選抜には他に「全学部AO入試」と「言語聴覚学専攻特別入試」があります)

 では、その「探究成果発表入試」とはどういうものなのか、説明しましょう。みなさんは、高校で「総合的な探究の時間」や「探究」と名の付く授業を受けていると思います。これは生徒が主体的に課題を設定して、情報の収集や整理、分析をしてまとめる力を育むことを目的とした授業です。この探究の授業から得た成果を評価するのが「探究成果発表入試」です。
ただ、誤解してほしくない点は、この入試は探究成果の“レベル”を問うものではないということです。自分で課題を立て、情報を集め、整理・分析してまとめた過程や、そこから得た経験を本学に入学してからの学修や研究にどう活かしていくか、さらにはどのような人に成長し社会へ羽ばたきたいかといったことも含めて評価したいと思っています。具体的な試験内容は、基礎学力試験(数学・英語)と、ポスターを使った10分以内の探究成果発表です。10分という時間内に自分が伝えたいことを自分の言葉で表現できるコミュニケーション能力や論理的な思考力が重要になってきます。 もう少しかみ砕くと、高校の「探究」の時間を通して、答えを覚えるのではなく、「なぜ?」と問いかけ、その答えを追究した人にチャレンジしてほしい入試です。高校までの学びとは異なり、大学や社会で対峙する問いの答えは、ひとつではありません。色々な解の中から最良と思うものを選択し、主張・発表できる力が大切です。 例えば、課題を自分はどう考えたか? どんな(何種類の)方法で解決しようとしたか? 結論は何か? その結論の強み・弱みは何か? など、自分の思考プロセスを客観的に捉えて言葉にする力を見たいと考えています。
 また、今回の「探究成果発表入試」の対象となる学部は、工学部と応用生物学部です。本学の工学部には、学外での2か月にわたる就業経験型学修を行う「コーオプ教育」があります。探究活動で培った力は、そこで活かすことができるだろうと期待しています。また、応用生物学部では、高度な研究活動に取り組んでいますから、ここでも探究活動で身につけた力を発揮できることでしょう。
 技術や社会が急速に変化していく現代社会では、実践的・専門的な能力だけでなく、適応力と多様な人と協働する力が必要不可欠です。ひとつのことを極めることも重要ですが、色々なことに興味を持ち、時には疑問を持ち、あらゆる方面から物事を観察できる力が大切です。既成概念をちょっと疑ってみる、「先生の言うことは本当かな」と考えてみる。そこに研究の種が落ちていることが多々あります。
本学を卒業して社会に出たときに、「自分の礎は大学時代だ」と自信を持って言えるように、大学での学修や研究に全力投球できる、そんな方に入学してもらいたいと思っています。 

■2023年度 総合型選抜(探究成果発表入試)の詳細はこちらから:
https://www.teu.ac.jp/entrance/info/AO/index_result.html