大山学長のホッとブレイク

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学長コラム第12回「東京工科大学の地域連携 ――八王子市・大田区蒲田だからできること」

2023年3月24日掲出

 みなさん、こんにちは。学長の大山です。今回は、本学が取り組んでいる地域との連携についてお話ししましょう。

 大学は単なる教育・研究機関ではなく、地域に貢献する開かれた存在でなければなりません。本学では、例えば工学部を皮切りに、メディア学部、コンピュータサイエンス学部、応用生物学部でコーオプ教育を導入しています。これは学内での授業と学外での就労経験型学修を組み合わせた教育プログラムで、学生は一定期間、学外の企業で働く経験をし、報酬と大学の単位を得るというものです。
 コーオプ教育以外にも、本学ではさまざまな形で地域連携を実施しています。教養学環の「サービスラーニング」という科目では、学生が地域に出ていき、地域や小学校でのイベントのお手伝いを実習として行っています。この実習は地域からも高く評価されています。また、学生が地域のために一人で何かを始めることは大変だと思いますが、このような授業として単位付きで学外に出て、さまざまな経験ができるということは、最初に踏み出す一歩にふさわしいとも言えます。

 工学部には「地域連携課題」という授業もあります。学生が八王子市内を実際に見てまわり、そこにはどんな問題があり、それをどう解決すれば良いかを考える授業です。例えば、使われてない農地がたくさんある、水が溜まりやすい道路がある、道路の騒音がひどい住居エリアがあるといった地域の課題を、学生自身が実際に見てくるのです。そこから自分たちの専門を活かしつつ、何らか解決につながるようなアイデアを提案します。その発表会には、八王子市役所の方に来てもらい、発表に対するレスポンスも頂いています。このように地域に特化した授業を設けているのです。
 授業という形でなくても、さまざまな形で地域と連携しています。例えばメディア学部では、小中学生に向け仕事紹介ビデオなどの撮影や編集作業、ビデオ製品づくりまでを手がけ、子どもたちに働くことや勉強の楽しさを伝える事業を支援しました。また、多摩地域4市(八王子市、立川市、町田市、多摩市)による観光支援の共同プロジェクトに、コンピュータサイエンス学部の学生チームが参加しています。
 このほか、八王子地域にある25の大学、短大、高専が連携する「大学コンソーシアム八王子」にも加盟し、小中高生に向けた講座や地域課題解決の事業などにも取り組み続けています。また、各大学の合同研究発表会なども開催され、研究を地元企業に知ってもらうきっかけにもなっていますし、学生同士の交流の機会にもなっています。

 蒲田キャンパスでも大田区と連携しながら、色々なことに取り組んでいます。デザイン学部では、学生のデザインスキルを活用して、観光ポスターや警視庁の防犯ポスターなどのデザインを行っています。また最近では、大田区内の企業と連携し、製品デザインのお手伝いもしています。企業から学生の視点で手伝ってほしいという要望を受け、興味を持った学生たちが参加しているのです。学生にとっては、どんなことが現場で要求されるのかを知る良い機会になっていますし、大学にとっても大田区という小さな工場がたくさん集まる地域に関わっていく流れができつつあり、貴重な機会となっています。

 このように本学と地域とのつながりは、年々、活発化し、強固なものになってきています。本学は今後も、こうした地域との連携に積極的に参加していくつもりです。というのも、やはりそういう機会を大学側がたくさん用意することで、そこに飛び込んでいく学生を増やしたいからです。地域の人と一緒にプロジェクトを展開し、成長させていく経験により、学生のやりがいも一層、高まるだろうと思います。

 今年度の私のコラムは、今回で終わりです。1年間のお付き合いをありがとうございました。春には、みなさんにキャンパスでお目にかかれることを楽しみにしていますよ!