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公共空間の雑⾳下でも必要な情報が誰にでも届く社会へ―Auracast™+Wi-Fiによる補聴⽀援システム体験会を実施

 
2025年10月17日掲出

 東京⼯科⼤学(東京都⼋王⼦市、学⻑︓⾹川豊)では、次世代の難聴⽀援技術として注⽬されるAuracast™(オーラキャスト)(注1)とWi-Fiのハイブリッドによる聴覚障害者向け補聴⽀援システムの社会実装に向けた国内初の検証プロジェクトを実施しています。
 この⼀環として、10⽉25⽇(⼟)から26⽇(⽇)に開催される国内最⼤級の科学コミュニケーションイベント「サイエンスアゴラ2025」および11⽉22⽇(⼟)から11⽉24⽇(⽉・祝)に開催されるデフスポーツ・パラスポーツの体験イベント「スポーツ FUN PARK」(東京2025デフリンピック同時開催)において、同システムの体験会を実施いたします。いずれも⼀般参加は無料で聴覚障害者から健聴者まで広く体験いただける機会となります。

■ほとんどの補聴器や⼈⼯内⽿に対応する⾳声配信システムですべての⼈に「声」を届ける
 本プロジェクト(名称:Voices for All)は、本学メディア学部吉岡 英樹講師(聴覚障害⽀援メディア研究室)が、駅・空港・スタジアム・ホールといった公共空間の雑⾳下でも補聴器などの利⽤者が必要なアナウンスや情報にアクセスすることができる補聴⽀援システムの社会実装を⽬指し取り組んでいるものです。イスラエルBettear社が開発し欧⽶を中⼼に60カ国以上で販売(注2)されている最新の補聴技術をベースに、Auracast™とWi-Fiのハイブリッド⽅式にすることで、ほとんどの補聴器や⼈⼯内⽿、ヘッドフォン等に対応する⾳声配信システムを構築。従来のような専⽤受信機を必要とせず受信範囲が広いため、これまで設置が難しかった公共空間でも導⼊が可能となります。今年の夏から、⾔語聴覚⼠や補聴器・⼈⼯内⽿装⽤者ら聴覚障害当事者団体、補聴器や⾳響機器メーカーなどの協⼒のもと、全国各地で体験会や試験運⽤を実施(注3)しその有⽤性などを検証しています。

一般社団法人Bridge Heartでのデモンストレーション(8月30日、大阪府大阪市)

サイエンスアゴラ2024(サイレント・コミュニケーション体験)の様⼦ ※本システムとは異なるコンテンツです
Bridge Heart主催トーク&体験会「聞こえの壁を越える情報⽀援のカタチ」(10⽉11⽇、⼤阪府⼤阪市)


(注1)Auracast™はBluetoothの新規格であり、⾼⾳質・低遅延の補聴器技術として普及が期待されています。1対多数の⾳声配信が可能、ペアリング不要といった特徴から公共空間での利⽤にも適しています。
(注2)国内における輸⼊・設置は有限会社アイアシステム(東京都江⼾川区)が⼿掛けています。
(注3)⼀般社団法⼈全⽇本難聴者・中途失聴者団体連合会 全国⼤会(北海道函館市、11⽉1⽇開催)にて、本プロジェクトの説明とデモンストレーションを実施。


【サイエンスアゴラ2025 出展概要】  
⽇ 時:10⽉25⽇(⼟)〜26⽇(⽇) 10:00~17:00
会 場:「サイエンスアゴラ2025」お台場テレコムセンタービル会場 1階ブース(出展番号:103)
    [URL]https://www.jst.go.jp/sis/scienceagora/2025/
内 容:1 Auracast™とWi-Fiのハイブリッドによる補聴⽀援システム 体験
    2 サイレント・コミュニケーション体験(⾳響技術で多様な“聞こえにくさ”を体験できるコンテンツ)
参 加:無料
イベント主催:科学技術振興機構(JST)
※上記ブース出展のほか、同イベントのステージ「オープンスペースA」(テレコムセンタービル会場1F)にも同システムを設置し、イベント期間中に体験いただくことができます。


【スポーツ FUN PARK (東京2025デフリンピック同時開催) 出展概要】  
⽇ 時:11⽉22⽇(⼟)〜11⽉24⽇(⽉・祝) 10:00~16:00
会 場:駒沢オリンピック公園中央広場(東京都世⽥⾕区) ※東急電鉄「駒沢⼤学駅」下⾞ 徒歩15分
    [URL] https://www.sports-tokyo-info.metro.tokyo.lg.jp/sportsfunpark/
内 容:東京2025デフリンピックの競技会場となる駒沢オリンピック公園中央広場において、アスリートとの交流やデフスポーツ・パラスポーツの体験イベントにて、本システムなどの体験ブースを出展
参 加:無料
イベント主催:東京都

Auracast™(オーラキャスト)とWi-Fiによるハイブリッド補聴システムの概略

■東京⼯科⼤学 メディア学部 吉岡(聴覚障害⽀援メディア)研究室 
新しいテクノロジーを活⽤したり、コンテンツの表現を⼯夫したりすることにより、聴覚障害者の⽅々が少しでも暮らしやすい環境づくりを⽬指した研究をしています。新⽣児の約1,000⼈に1⼈から2⼈が聴覚障害を持つとされていますが、早期に発⾒して適切な⽀援をすることでコミュニケーションの形成や⾔語発達の⾯で⼤きな効果があります。本研究室では聴覚障害児が苦⼿としている分野の⾔語教育等に活⽤できるデジタル教材の研究開発を⾏なっています。
2022年には、難聴児の療育向けアプリ「Vocagraphy!」が、科学技術振興機構(JST)が主宰する「STI for SDGs」アワード優秀賞を受賞。
(研究室ホームページ) https://yoshioka-lab.org

■メディア学部WEB:
https://www.teu.ac.jp/gakubu/media/index.html