平成22年度卒業生の皆様へ
 

３月１１日の東北地方太平洋沖地震により、学位記授与式を中止することになりました。卒業生の皆様には誠に申し訳なく思っております。皆様は未来に向かって輝かしいスタートを切るにあたり、緊張と期待に胸をふくらませている事と思います。

本学は理念の中核に実学主義を掲げています。この意味は、社会が変化し、技術が変化しても、これについていけるような柔軟な頭を持った人材を育成して行こうということです。皆様には本学で学んだ実学主義を企業で活かして活躍してほしいと願っております。皆様の将来に役立つ事として、アンドリュー・カーネギーの言葉を紹介します。カーネギーは「鋼鉄王」と称されるアメリカの実業家で、一代で巨大な富を築いたことで有名です。本学が提携しているカーネギー・メロン大学の創設者であり、いろいろな慈善事業にも多大な貢献をしています。カーネギーは多くの人々に成功の秘訣を聞かれて『成功には何のトリックもない。私は私に与えられた仕事に全力を尽くしてきただけだ』と述べています。この言葉のポイントは、自分に与えられた仕事は何かと捉えることであると思います。企業に就職して与えられた仕事に全力を尽くすことが大切であると思います。弛まぬ努力こそ、成功の原動力と言えると思います。

東京工科大学は今年創立２５周年を迎え、蒲田キャンパスに進出し、総合大学に一歩踏み出しました。これからも改革を原動力として発展していきたいと考えていますが、そのためには卒業生の皆様のサポートが欠かせません。皆様には是非、同窓会へ入会していただき、東京工科大学の発展を温かく見守っていただきたいと思います。秋の紅華祭では、ホームカミングデーや同窓会の催しも開催されますので、これを機会として大学へも足を運んでください。

不透明な時代と言われていますが、実学主義を信じて、一歩踏み出す努力をしてみてください。皆様の大きな飛躍とさらなる活躍を期待して、卒業のお祝いの言葉と致します。

平成２３年３月２４日
東京工科大学長
軽部　征夫