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吉岡英樹メディア学部講師らが、田中美郷教育研究所との連携により難聴児を対象とした「夏休み子どもプログラミング体験教室」を開催。

2018年8月21日掲出

吉岡英樹講師

 2018年7月29日及び8月1日に難聴児等の教育機関である田中美郷教育研究所ノーサイドクリニック(東京都世田谷区)にて、本学メディア学部の吉岡英樹講師と学生らが「夏休み子どもプログラミング体験教室」を実施しました。2回に分けて1日定員6名・3時間ずつ実施した講座には、小学校3年生から中学校1年生の児童12名が参加し、コンピュータプログラミングによるロボットの操作に挑戦しました。

[1時間目:ロボットで遊んでみよう]

今回使用したロボット「COZMO(コズモ)」は、米国アンキ社が開発したAI(人工知能)搭載ロボットで、操作をしなくても自由に動き回ります。3つのブロックと連携し、搭載したカメラで画像解析を行うことで、それらの位置を把握し、ブロックを持ち上げたり、他のブロックに乗せたりすることが可能です。1時間目ではコズモを観察することで、AI技術やセンサー技術といったロボティックスについて、楽しく学びました。

[2時間目:簡単なプログラミングでロボットを動かそう]

タブレットPC上でブロックをつなぎ合わせる簡単なプログラミングを使い、コズモをブロックに近づけたり、ブロックを持ち上げたりさせました。事前に様々な感情表現がプログラムされているため、ブロックの積み上げに成功したら喜ぶという指示も行いました。

[3時間目:ロボットを自由自在に動かそう]

いよいよ自分で何をさせるかを考え、プログラミングを行います。迷路を通りながらブロックを運んだり、5メートル先までブロックを運んで積むなど、子どもたちの自由な発想で楽しくプログラミングを行いました。ただし、思った通りに動かないことも多く、より高度な動きをさせるためには、難しいプログラミングを学ばなければならないことも知りました。最後にみんなの前で自分のアイディアとプログラミング内容を発表し、実演を行い、自己評価をしました。



<参加者のコメント>

・コズモを自由自在に動かすための設計がとてもむずかしかったです。けれど、ダンスやぐるぐる回ったり、むげん(に動く)正方形や長方形(に動かすの)はとても楽しかったです。ロボットは動物みたいで未来にはとても必要な物だと分かりました。(後略)[ようすけ・小4]

・(前略)ロボットがブロックをたおしたり、ころがしたり、つんだり、もちあげたり、すごいわざがあったのでびっくりしました。めいろを作って、ブロックまで行って、そのブロックをまた次のブロックに積むプログラミングが成功できたのでよかったです。[けんた・小4]

<ノーサイドクリニック コメント>

3時間という長い時間でしたが、子どもたちは実に集中して楽しそうに取り組んでいました。最後の発表と実演では、皆堂々と発表しロボットを操作する様は、新たな知識と技術に触れた喜びに溢れていると感じ、嬉しく思いました。普段は大人しい子どももいて心配したのですが、先生方から「積極的に質問をしていた」と伺い驚きました。私たちの知らない、子どもたちの能力や興味の方向性が引き出された機会になったのだと思います。聞こえにくい子どもたちなので、予想外のご苦労もあったことと存じますが、先生方には、準備の段階から終了後1人1人についてのコメントを書いてくださるまで、本当に丁寧にご配慮頂きました。保護者とともに、心から感謝いたしております。素晴らしい企画をありがとうございました。

<学生スタッフコメント>

熊野 千穂(メディア学部3 年)
プログラミングは「難しそう」という印象があり、子どものうちに触れる機会が少ないですが、今回は愛らしいフォルムのロボットとタブレット端末を使用してゲーム感覚で授業を進めることが出来ました。子どもたちが途中で行き詰まることもありましたが、最終的にはプログラミングを行った達成感を感じられたようです。これを機に、プログラミングに対する抵抗感が無くなり、さらに勉強してもらえれば嬉しいです。子どもたちの柔軟な発想は、逆に自分にも参考になり、今回スタッフとして参加して良い経験になりました。

金井 兼介(メディアサイエンス専攻 修士2年)
準備・企画段階から、どのように教えるか、どうしたら分かりやすいか、子供の興味をひくにはどうすればいいのか、どうしたら集中が途切れないかなど、様々な課題を議論し実施致しました。そういった過程もとても勉強になりましたが、実際に行ってみると、子どもの柔らかい発想に驚くことが多く、たくさんの収穫がありました。これからの時代はAIやデータマイニングなどが注目されており、これまで以上にプログラミングの知識が必要になります。今回参加して頂いた子どもたちの指標になれるよう、社会に出ても努力していきたいと感じました。

<吉岡 英樹 メディア学部講師コメント>

今回は口話ができる子どもばかりだったので、スライドや配布資料を使うなど少し工夫をすれば、皆さん理解をしてくれて、とても元気に一生懸命取り組んでくれました。中にはこちらが期待した以上にプログラミングに興味を持ち、自らやりたいことに挑戦する子どももいました。今回のような講座を今後も継続することで、聞こえる、聞こえにくいなどに関係なく、子ども自身の得意な分野を発見する機会になると期待しています。参加した皆さん、関係者の皆様、ありがとうございました。