大学院メディアサイエンス専攻生が「NICOGRAPH 2022」で各賞を受賞
2022年11月4日~6日に北陸先端科学技術大学院大学で開催された一般社団法人芸術科学会主催「NICOGRAPH 2022」において、大学院メディアサイエンス専攻生が各賞を受賞いたしました。
NICOGRAPHは、CGやマルチメディア関係の論文発表の場として長い歴史を持ち、当該分野関係者の恒例行事となっています。今回、NICOGRAPH 2022は、対面とオンラインのハイブリッドで行われました。
【受賞情報】
■ 優秀論文賞(ショートペーパー)
発表題目:NPCの行動の最善手探索に関する研究
受賞者:吉田 涼真さん(大学院メディアサイエンス専攻修士2年)、 阿部 雅樹メディア学部実験助手、 渡辺 大地大学院メディアサイエンス専攻教授
論文概要:NPC(ノンプレイヤーキャラクター)の行動はAIによって管理されており、そのAIをキャラクターAIと呼ぶ。キャラクターAIにはいくつかの手法が存在する。そのうちの一つの手法として、ゴールベースAIがある。ゴールベースAIは、その他のベースAIが、局所的な判断による行動決定を行うのに対し、長期的な目標を定め、その目標を達成するための行動を実現できるという手法である。ゴールベースAIには、大きく2つの難点がある。第一の難点は、既存のゴールベースAIでは、細かく行動を決定できないことである。第二は、壁や敵が出現するなどマップにおける状況の変化に臨機応変に対応することができないことである。本研究では、第一の難点に対し、制約付き最短経路問題に基づき、特定の条件を満たし、目的地点に到達するという長期的な目標の達成と、最も良いスコアを出す行動決定を選択する最善手探索手法を提案する。
■学生奨励賞
発表題目:周辺気体の温度場を考慮したドライアイスから発生する霧のビジュアルシミュレーション
受賞者:小林 唯斗さん(大学院メディアサイエンス専攻修士1年)、菊池 司大学院メディアサイエンス専攻長
論文概要:本論文では、ドライアイスを水などの液体に入れた際に生じるような、発生量の多い霧のビジュアルシミュレーション法を提案する。本論文で提案する手法は、霧の発生源となるシミュレーションソースと霧のコリジョンとなる器をポリゴンモデルで作成し、シミュレーションソースにアニメーションさせたノイズを加えることで、ドライアイスを水の中へ投じた際に生じるような気泡の上昇運動を再現する。作成したソースに対して、格子法を用いた流体シミュレーションを行うことで、ドライアイスの霧を生成する。この際、速度場の生成には本論文で提案する独自の浮力方程式を用いる。本手法により、ドライアイスから発生した霧が器から溢れ出る表現などを効率よく再現することが可能となった。
研究成果動画は下記よりご覧いただけます。
https://vimeo.com/734400264
■ポスター賞
発表題目:かき氷のビジュアルシミュレーション
受賞者:末永 遥香さん(大学院メディアサイエンス専攻修士2年)、戀津 魁助教、伊藤 智也さん(八戸工業大学)、竹島 由里子教授、菊池 司大学院メディアサイエンス専攻長
■ポスター賞
発表題目:パーティクルとボリュームデータによるアンビグラムのデザイン手法
受賞者:大津 沙耶香さん(大学院メディアサイエンス専攻修士2年)、戀津 魁助教、伊藤 智也さん(八戸工業大学)、竹島 由里子教授、菊池 司大学院メディアサイエンス専攻長
■NICOGRAPH 2022 WEB:
https://art-science.org/nicograph/nico2022/program.html
■大学院メディアサイエンス専攻WEB:
https://www.teu.ac.jp/grad/ms/index.html