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大学院バイオニクス専攻修士2年の学生が「2023年度 日本生化学会関東支部例会」で優秀発表賞を受賞

2023年6月15日掲出

 2023年6月10日(土)に山梨大学医学部で開催された「2023年度 日本生化学会関東支部例会」において、大学院バイオニクス修士2年のトルンディン ハゥエーアンさんが優秀発表賞を受賞しました。   
 本年度の日本生化学会関東支部例会は、コロナ禍のため途切れてしまった対面での交流を促進するために、「ぶらり生化学の旅~分子から個体まで~」というテーマで学部学生、大学院生、教職員など様々な研究者が気軽に参加することができる例会を目指して開催されました。

【受賞情報】
受賞者:トルンディン ハゥエーアンさん(大学院バイオニクス専攻修士2年)
指導教員佐藤 淳教授
受賞名:日本生化学会関東支部例会 優秀発表賞
受賞研究タイトル: アルブミン融合によるヒトラクトフェリンの抗腫瘍活性増強―細胞内送達による細胞内小器官pHの上昇―
発表内容: バイオ医薬品の開発を目的に、自然免疫で機能するタンパク質であるヒトラクトフェリン(hLF)に着目した。hLFは抗腫瘍活性を有しており、その活性を高めるために、ヒト血清アルブミンと融合させた、アルブミン融合ヒトラクトフェリン(hLF-HSA)を作製した。このhLF-HSAはガン細胞内に取り込まれ、増強した細胞増殖阻害活性を示す。しかし、hLF-HSAが細胞内に取り込まれた後に、どのような作用機序で細胞増殖阻害活性を示すかは明らかとなっていない。本研究ではその解明を目的に、細胞内小器官pHに着目した。細胞内小器官pH は、ガンの増殖に大きな影響を与え、そのpHを制御する分子の一つとして、Na⁺/H⁺交換輸送体 (NHE)が知られている。本研究では、hLF-HSAがガン細胞内に取り込まれた後、NHEの一つである、Na⁺/H⁺交換輸送体7(NHE7)を活性化して、抗腫瘍活性を示すことを明らかにした。

受賞者コメント::NHE7は、米国癌学会American Association for Cancer Researchの機関誌Cancer Discoveryで、ガン治療における注目すべき標的分子として紹介されています。NHE7の活性化分子の報告は今までにないことから、今後のガン治療戦略において、hLF-HSAは注目される分子となりうると考えております。この度は、このような賞を頂戴することができ、大変光栄に存じます。ご指導いただいた佐藤淳教授、木村将大助教、そして支えてくれた研究室のメンバーには大変感謝しております。


biochemkanto2023
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■2023年度 日本生化学会関東支部例会WEB:
https://www.biochem-kanto.jp/meeting/2023.html


■大学院バイオ・情報メディア研究科 バイオニクス専攻WEB
https://www.teu.ac.jp/grad/bs/index.html