大学院メディアサイエンス専攻の学生が第38回デジタルコンテンツクリエーション研究会(CVIM、CGVI、PRMU連催)において優秀研究発表賞を受賞
本学大学院バイオ・情報メディア研究科メディアサイエンス専攻の塩路 彩夏さん(指導教員:三上 浩司教授 / 川島 基展特任講師)が、第38回 デジタルコンテンツクリエーション研究会(CVIM、CGVI、PRMU連催※) において 「優秀研究発表賞」 を受賞しました。
今回の塩路さんの発表論文は、本学メディア学部の川島研究室と株式会社バンダイナムコスタジオが共同研究を行っている「TrueHDRI」を題材としています。TrueHDRI は、現実世界の照明環境を正確にキャプチャし、ゲーム開発やCG制作におけるライティング精度を向上させるHDRIアセットです。TrueHDRIを活用することで、デジタルコンテンツの光表現が大幅に向上し、よりリアルな視覚体験が可能となります。本プロジェクトでは、2023年より塩路さんを含む3名の学生が、それぞれのテーマを掲げ、TrueHDRIを発展させる研究に取り組んできました。
塩路さんは、TrueHDRIを活用し、商業アニメ制作における色指定工程に即して、ビデオゲームコンテンツで時刻に応じたトゥーンシェーディングを行うことができる手法について発表しました。
本研究の特徴は、一般的なトゥーンシェーディングとは異なり、昼夜でキャラクターの色を指定できるため、作品ごとに独自の表現がしやすくなる点です。この点が高く評価され、発表では分かりやすい図や動画を交えながら、学術的な新規性だけでなく、産業界での実用性を明確に示した点も評価されました。
※ 本研究会は、以下の3研究会が合同で開催するものです。
CVIM(Computer Vision and Image Media) - コンピュータビジョンおよび画像メディア研究会
CGVI(Computer Graphics and Visual Informatics) - コンピュータグラフィックスおよびビジュアル情報学研究会
PRMU(Pattern Recognition and Media Understanding) - パターン認識およびメディア理解研究会
なお、CGVIは「第196回コンピュータグラフィックスとビジュアル情報学研究発表会」 に該当し、受賞情報もそちらに掲載されています。
【受賞情報】
受賞名:「優秀研究発表賞」
発表タイトル:ビデオゲームコンテンツにおけるシーンの時間変化に応じた色指定に基づくトゥーンレンダリング手法の提案
著者:塩路 彩夏さん(大学院メディアサイエンス専攻)
共著者:鈴木 雅幸さん、菅野 昌人さん、山口 翔平さん(バンダイナムコスタジオ)/川島 基展特任講師、三上 浩司教授(東京工科大学)
論文概要:商業アニメ制作において、色指定の工程は線画に着色する色を管理する役割を持つ。色指定の工程では担当者がシチュエーションごとにカラーパレットを作成し、作成したカラーパレットをもとにカットごとの色を決定する。しかし、近年のビデオゲームでは、キャラクタの位置や時間帯、天候などが動的に変化することが多い。そういった作品においては、アニメ制作同様に作成したカラーパレットと対応させてシチュエーションに応じた着色を行うことは難しい。そこで本研究では、ゲーム内の太陽の位置から時刻を特定し、アニメ制作の色指定工程に即しつつも時刻に応じて適正に着色できるトゥーンシェーディング手法を提案する。
論文概要URL:https://lab.motonobukawashima.com/2024/11/30/
研究会受賞ページURL:https://cgvi.jp/info/bestpapers/#196
TrueHDRI バンダイナムコスタジオ公式サイト:https://www.bandainamcostudios.com/projects/truehdri
![トゥーンレンダリング手法](/infomation/2025/images/truehdip_toonshade_1.jpg)
ビデオゲームコンテンツにおけるシーンの時間変化に応じた色指定に基づくトゥーンレンダリング手法の提案
■コンピュータグラフィックスとビジュアル情報学研究発表会(CGVI):
https://cgvi.jp/
■大学院バイオ・情報メディア研究科メディアサイエンス専攻 WEB
https://www.teu.ac.jp/grad/ms/index.html