応用生物学部の研究室がソメイヨシノの花から分離した酵母にて東京都内でのワイン醸造に成功

東京工科大学応用生物学部松井 徹教授の研究室では、同校蒲田キャンパス・八王子キャンパス内の桜(ソメイヨシノ)の花から、醸造用酵母(Saccharomyces cerevisiae)の分離に成功。分離した数十種の酵母の中から、特に醸造に適していると思われる三株を東京都練馬区にある東京ワイナリー(※1)にてワインの醸造を行ったところ、三株ともアルコール発酵に成功し、桜酵母ワインができあがりました。(※2)。
桜酵母ワインの事例は全国で数例あるものの、ソメイヨシノと桜の品種を限定したうえでのワイン醸造は東京都内では初めての事例と推測されます。
■今回のワインの製造概要
①ワイン醸造には、山形県産のスチューベンを使用。食用にも用いられるまろやかな酸味が特徴の黒葡萄です。この葡萄を手でつぶしながら搾汁機に入れ、丁寧に葡萄ジュースを搾ります。(今回は桜酵母でアルコール発酵するか否かを確認するため、通常の製法と異なり、酵母添加前に葡萄を搾汁しました)
②葡萄には、その表面に醸造に適した野生酵母が付着している事から、それらを不活性化するため、容器毎に低温殺菌を施しました。
③低温殺菌した葡萄果汁を常温まで冷ましてから、酵母を添加。
④発酵のスピードは酵母毎まちまちでしたが、順調に発酵が進み、およそ2週間でワインができあがりました。
⑤できあがったワインを瓶詰めし、AIが作成したオリジナルラベルを貼付しました。
同じ葡萄を用いて同じ環境で発酵させたにも関わらず、できあがったワインはそれぞれ香味が異なり、発酵と酵母の奥深さを感じられる結果となりました。
葡萄の搾汁や酵母添加、瓶詰め、ラベル貼りには同研究室の学生も参加し、「貴重な体験ができた。」と喜びを語りました。
【※1:東京ワイナリー】
代表:越後屋美和。東京都練馬区大泉学園町2丁目8−7。2014年、東京都内初のワイナリーとして創業。都内の契約農家の葡萄を使用したワイン醸造や委託醸造などを行っている。
【※2:桜酵母ワイン】
商品名:ロゼワイン。原材料名:スチューベン(山形県産)。三種のワイン酵母でそれぞれ醸造。750㎖×3本×三種を瓶詰め。非売品。
■応用生物学部WEB:
https://www.teu.ac.jp/gakubu/bionics/index.html
