[2012年度]第6回「自分の新しい可能性を見つけよう!学生のうちはチャレンジ精神を大切に。 」
皆さん、こんにちは。今回は、大変だけどぜひチャレンジしてほしい、二つの話題をご紹介します。あなたの隠れた能力が見つかるかもしれません。
まずは、本を読むことで、自分に自信が持てるというお話。皆さんは日ごろからさまざまな本を読む機会はあると思いますが、パラパラと走り読みできる本ばかりでなく、ひとつでもいいので、なにか“大作”といわれている作品を読んでみてください。それも古典から近代までの作品で、時間をかけないと読めない読み応えがあるものがオススメです。
たとえば、古典では中国の『三国志』などは読破するのにかなりの時間がかかります。また、近代の海外文学では、アメリカの女性小説家パール・バックの『大地』(1931年)や、ロシアの小説家トルストイの『戦争と平和』(1864-69年)はかなりのボリュームです。私はこれらの作品を学生時代に読みました。
日本文学でいうと、『夏目漱石全集』や『芥川龍之介作品集』など皆さんも馴染みのある作品で、学生時代に読んで夢中になりました。
なぜ、読書をするなら、古典から近代までの大作がよいのか?というと、それはまず本を読む習慣をつけてほしいからです。現代の作品だと言語や物語の背景など理解しやすく読みやすいため、習慣になる前に読み終えてしまいます。昔の大作を読むと、言語や時代背景など理解するのに時間はかかりますが、分からないところを調べながら、熟読することで、確実に読解力が身につきます。大作になると、登場人物が多く物語も複雑ですが、人物関係図など作りながら読むのも楽しいですよ。大作をひとつでも読破してしまえば、本を読むことに抵抗もなくなります。
そして、さらに大きな壁を読破したいという人は、洋書の原著に挑戦してみるのはいかがでしょう。
私は学生時代、アメリカの化学者、ライナス・ポーリングの『General Chemistry』の原著を読破しました。辞書を片手に読み進めていくと、1ヶ月経つころには、英語を読むことに抵抗がなくなり、辞書を引く回数も減っていきました。いまの学生は、高性能な電子辞典がありますから、簡単に調べられますし、音声で発音を教えてくれるものもありますから、私の学生時代よりは苦労せずに原著を読めるのではないでしょうか。
大作を時間をかけて読めるのは、学生のうちだけです。社会人になると、じっくり読書する時間など、なかなか取れなくなります。このように苦労して苦労してひとつの大きな壁を越えたとき、その征服感・達成感は大変なものです。なにより今後の自信につながります。
そして、最後に、本学の学びにも、自分の新たな能力を見つけるチャンスがあります。それは、実験や実習などで、グループで行動するとき率先して“ムードメーカー”や“リーダー”になることです。
企業に就職すると、グループやチームでひとつのプロジェクトに取り組むことがよくあります。そんな時、チームを結束させ、引っ張っていく役割が最も重要とされます。本学でも、PBL(プロジェクトベースドラーニング)を取り入れた授業で、そういった能力を身につけることができます。
高校生の皆さんも、自分の新たな可能性を見つけるために、「自分には無理かもしれない」と思うことでも思い切って挑戦してみてください。何かにじっくり取り組めるのは、学生のうちだけですから。