[2013年度]第8回「限りある時間で成果を出すには“戦略”が大切。時間も脳も効率的に使おう!」
皆さん、こんにちは。12月に入り、いよいよ受験シーズンが近づいてきました。今回は、この時期ならではの“受験戦略”についてお話ししたいと思います。
ほとんどの受験生は、1月にはセンター試験、2月には一般入試が控えていることでしょう。その直前であり、冬休みとも重なる12月は、ぜひとも有効に使いたいものです。そこで私がおすすめするのは、今一度、第一志望の大学の過去問題を徹底的に分析し、入試傾向を洗い出してみることです。ご存知のように大学入試には、必ずその大学特有の出題傾向があります。例えば、英語では長文読解が多めに出題されるとか、数学でも毎年同じ分野の問題が出題されているといったパターンがあるのです。そのパターンをしっかり掴んで、よく出題される傾向のある問題は、必ず解けるようにしておく。もし出題されやすい問題で、苦手とする部分が見つかれば、そこを徹底して補強する。12月は、そういう絞り込んだ勉強に時間を割くと良いと思います。また、試験の解き方についても、そろそろ考え始めなければなりません。実際に受験を経験した受験生の多くは、特に英語と数学で時間が足りないと感じるようです。その対策として、例えば、英語の長文読解では、いちいち頭から訳しながら読むのではなく、わからない単語があっても読み飛ばしながら、ざっと全体を読んで、何が書かれているのかを理解するといった方法を習慣として身につけておくべきです。そういう実際の試験における戦略についても、過去問題を解きながら考えてみてください。
また、受験までの日数が少なくなってくると、焦りから睡眠時間を削って勉強する人もいるかと思いますが、それはおすすめできません。というのも脳の効率から考えると、最低6時間は睡眠を取ったほうが良いからです。睡眠時間を減らすと頭がまわらず、理論的にものを考えることが難しくなくなったり、覚えたことを思い出せなくなったりします。ですから6時間は眠るという前提で、勉強のスケジュールを組むようにしましょう。それから夜型の人は、朝型に変える時期でもあります。脳生理から言えば、朝は最も脳にエネルギーが溜まり、頭が働く時間帯ですから、数学、物理、化学など、深く考える問題を解くのに最適です。朝、小一時間ほど、そういう勉強をしたら、休憩を挟んで、次は覚えることが主体となる英語、国語、生物などを学び、次にまた休憩を挟んで数学などを学ぶ…というように、脳の違う回路を使う科目を交互に勉強してみてください。頭の使い方を意図的に変えてあげることで、脳を効率よく働かせることができ、勉強がはかどるはずですよ。
受験にしても何にしても、限りある時間で成果を出すには、戦略が大切です。過去問題を分析して的を絞り、脳を効率的に使って勉強をするなど、自分なりの“受験戦略”をしっかり練って、本試験までのに備えて準備を進めていってほしいと思います。