[学長メッセージ]第1回「東京工科大学が掲げる今年度の目標 ―“ラーニングアウトカム”の具現化に着手」
皆さん、こんにちは。東京工科大学学長の軽部征夫です。これから約1年間、受験生の皆さんに本学の情報やさまざまなメッセージを発信していきたいと思いますので、お付き合いをよろしくお願いします。
さて、第1回となる今号では、東京工科大学の今年度における目標についてお話ししましょう。
実は今年3月、本学は公益財団法人日本高等教育評価機構による大学機関別認証評価を受け、大学評価基準を満たした大学であると認定されました。これは大学の研究や教育の質などが、文部科学省の定める基準をきちんとクリアしているかどうかを7年ごとに厳しく審査する評価制度で、全ての大学がこの審査を受けるよう法律で義務付けられています。
今年、無事にこの審査を通過した本学ですが、次の認定評価、つまり7年後に再び認定を得られるようにするには、今から着手していかなければならないことがあると考えています。そのひとつが“ラーニングアウトカム”を明確にし、それに沿った教育カリキュラムを実施することです。
“ラーニングアウトカム”とは、この大学で学んだ学生がどういう能力を身につけて卒業するのかという学習成果ことで、簡単に言えば、大学の4年間で学生が獲得すべき知識や能力を具体化したもののことです。本学では、それを次の6つの項目にまとめました。
1. 国際的な教養
2. 実践的な専門知識と技術の修得
3. コミュニケーション能力
4. 論理的な思考力
5. 分析・評価能力
6. 問題解決力
<国際的な教養>は、これから一層加速するグローバル社会で生き抜くために欠かせないものです。もちろんそれは語学に限ったことではなく、国際政治や経済、宗教、文化に対する理解も含んでいます。
<実践的な専門知識と技術の修得>は、「実学主義」を掲げている本学において、当然身につけるべきものです。
<コミュニケーション能力>は、社会に出て必ず求められる力です。そのため本学では、1年次からPBL(Project-Based Learning)を導入して、学生にプレゼンテーションやディベートを積極的に経験させ、その力を養う体制を整えています。
<論理的な思考力>は、本学に限らず、大学できちんと学業を修めた者が必ず身につけておかなければならない物事の考え方です。
5つめの<分析・評価能力>は、6つめに掲げた<問題解決力>に大きく関係しています。というのも問題解決に取り組む前に必要となるのが、分析・評価能力だからです。目の前にある問題や課題を分析・評価し、それをどのように解決へと導くのか、進むべき方向を見定めるには、分析・評価能力が欠かせません。
そして、最後が<問題解決力>です。問題を解決するには、クリティカル・シンキング(批判的思考)が必要です。創造力を発揮してそういうものを含めて、問題解決力を身につけてもらいたいと考えています。
この6つの項目は、本学のディプロマ・ポリシー(学位授与の方針)にも明記しています。今年は、これらのラーニングアウトカムを教育の中でどう実施していくのかということを具体化していきます。例えば、授業を通じて、どのように学生に分析・評価能力や問題解決力をつけさせるのかということを、教員と一緒に明確化していく予定です。
本学の教育のさらなる充実に、どうぞ期待していてください!