[学長メッセージ]第5回「東京工科大学が目指すもの―グローバルとローカル、両方の視点を持つ"グローカル大学"へ」
こんにちは、学長の軽部です。今日は、これからの大学のあるべき姿について、お話ししようと思います。
そもそも大学とは何かと聞かれれば、知の伝承とその生産を目的とする機関だと言えます。新しい研究に取り組み、新しい知を発見して、社会に還元することが大学の役割の一つだと言えるのです。本学は先端的な教育を介して学生を育て、その過程で得られた研究成果を社会に還元するということを大学の理念の一つとして掲げています。
そう考えると、大学の知を地域へ還元することも、大学の役割のひとつだと言えるでしょう。その地域にその大学があることで、例えば市民が大学の公開講座などを利用し、さまざまなことを学べたり、地域雇用に貢献したりということもあります。また、卒業生が大学のある地域の企業に就職して、その企業を発展させることで社会貢献するということもあるでしょう。本学の場合は、キャンパスのある八王子市や大田区と提携して、地域に根差した協力関係を築いています。ボランティア協定を結んでいるので、地域の介護施設を本学の学生が訪れるといった地域貢献も積極的に行っていますし、産学連携で大学が地域の企業に知識を還元することで、企業の振興を図ることも大切にしています。
一方、世界的な視野での貢献ということも重視しています。例えば、本学には中東地域からの留学生を非常にたくさん受け入れているという特色があります。産油国である中東と日本は、エネルギーの輸出側と輸入側として重要な関係を築いている国同士ですから、積極的に交流することで、日本の将来のエネルギーに関する部分への貢献にもつながっていると言えます。
このように本学は、多様な形でグローバルな大学を目指すと同時に、地域に根差したローカルな大学も目指している、つまり“グローカル”な大学を目標にしているのです。そうして様々な形で世界や地域とつながることで、世界や地域から期待される存在になる。それこそが、これからの大学のあるべき姿だと考えています。