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充実した学内の海外研修プログラムを利用して、まずは一歩、海外に飛び出してみよう!

2017年10月13日掲出

教養学環 勝浦 寿美 教授

勝浦 寿美 教授

 長年、本学で教養教育科目の英語を教えている勝浦先生。さまざまな海外研修プログラムの作成や付き添いも行っています。今回はこの4月から始まった教養学環における戦略的教育プログラムの詳細について伺いました。

■教養学環が進める戦略的教育プログラム「グローバル人材育成教育プログラム」について、教えてください。

 簡単に説明しますと、用意した海外研修プログラムに段階的に参加することで、参加者が少しずつ国際感覚を身に付け、自分に自信を持ち、幅広い視野やグローバルな視点を持った、グローバルな思考ができる人に成長することを目指した教育プログラムです。対象となるのは、学部生や大学院生はもちろん、教員も参加しています。また、学年も問いません。
 “段階的に”というのは、参加者の海外経験や英語力に応じてステップアップしていけるプログラム構成になっているからです。例えば、海外初体験の学生向けに用意した「ロサンゼルス研修(1週間)」。このプログラムでは、まず海外の雰囲気や異文化に触れて、ある種のショックを受けてもらうことを目的にしています。まずは一歩、海外に踏み出してみて、海外を知り、逆に日本のことを知り、さらに自分を知るという経験が期待できます。
 次の段階としては、フィリピンへの語学研修(3週間)を用意しています。日本から近いうえ、もともと英語が母国語ではなく、私たち日本人のように英語を勉強して公用語として話している国ですから、とてもわかりやすい英語を話してくれます。そんな国で朝から晩まで語学学校でみっちり学ぶので、非常に英語が上達します。また、せっかくフィリピンで学ぶのですから語学だけでなく、地域住民との交流や現地の貧しい子供たちへのボランティア活動といった、そこでしかできない体験も組み込んでいます。
 次のステップとしては、正統的な英語を学ぶイギリス語学研修(約2週間)があります。このプログラムでは、ひとつの町にホームステイし、語学学校に通って英語を学びます。英語を話したいという気持ちが強く、イギリス文化に触れたいという人向きのプログラムだと言えますね。
 これらの海外研修は、実は以前からあったものですが、今回の「グローバル人材育成教育プログラム」をつくるにあたって、段階的な流れの中に組み入れました。とはいえ学生の経験や能力によって、段階にこだわらず、好きな海外研修に参加することが可能です。
 また今回、“海外インターンシッププログラム(4週間)”と“国際学生交流プログラム”という新しいプログラムも加えています。“海外インターンシッププログラム”では、親日的なアメリカはデンバー市の協力のもと、現地で働く経験をします。また、現地高校生への日本語指導を手伝うインターンシップも用意しています。“国際学生交流プログラム”は、海外から日本に来る学生との交流を促すものです。本学の学生が海外から来た学生をサポートしたり、おもてなしをしたりします。学生に2020年の東京五輪を意識してもらい、自ら海外から来たお客様に働きかけられる人になってもらいたいと思って用意しました。

海外研修
2017年ロサンゼルス研修の様子

海外研修海外研修
2017年イギリス研修の様子

■こうしたプログラム内容が出来上がった背景には、どんなことがあるのですか?

 ひとつは、学生たちが留学に消極的だという現状が挙げられます。残念ながら、昔に比べて海外への興味関心が低くなっているのです。洋楽は聞かない、海外旅行にも興味がないという学生が少なくありません。また、そういう人の多くは、世界の中にある日本という国に住んでいるという視点がなく、意識も考えも行動も国内で完結させてしまいがちです。そういう自分の殻を破る機会として、ぜひこれらの研修を活用してもらいたいと思っています。
 また、これまでばらばらに存在していた海外研修プログラムを段階的にまとめて戦略的教育プログラムにできたことで、さまざまな支援が可能になりました。滞在の短いロサンゼルス研修以外は、成績やTOEICの点数に応じて補助金を受けることができますし、TOEICオンラインプログラムの受講費にも補助が出ます。他にも海外研修に参加する学生の準備教育として英会話プログラムを提供するほか、渡航前には事前授業として渡航先の国についての講義を開くなど、サポート体制は万全です。

■今後の展開は、どのようにお考えですか?

 今後はこのプログラムをさらに魅力あるものにするため、例えば、渡航先にオーストラリアやニューヨークを加えられないかと検討しているところです。また、4年間という戦略的教育プログラムの期間が終わった後も、継続して充実した海外研修プロラムが提供できるように、総合的に優れた本学独自のプログラムをつくり、将来的には東京工科大学の魅力のひとつと謳えるようなものに仕上げたいと思っています。

■では、先生がご担当されている授業についてお聞かせください。

 例えば、1年生対象の英語クラスは、「スピーキング・リスニング」と「リーディング・ライティング」に分かれていて、それぞれの力を基礎から身に付けられるようになっています。
 その中で私は、これまで学生が受けてきた堅苦しい英語教育ではなく、英語は使える道具で楽しいものだということをわかってもらえる授業にしようと努めています。例えばリーディングでは、小説ではなく英語の取扱説明書を教材にすることがあります。どうしても欲しい物が日本では手に入らず、海外から取り寄せたらマニュアルが英語だったなんてことがありますよね。そういうとき、人は抵抗なく英語を読むことに入っていけます。ライティングも同様に、海外からインターネット経由で物を買うときに、どうメールを書くかといったことを取り上げています。また「スピーキング・リスニング」では電話での会話を取り上げたり、あるトピックについて学生に自分の意見を話してもらったりすることもあります。単に英語を学ぶのではなく、英語を“使うこと”を意識できる教材や課題を選ぶことで、学生の興味を高め、自分なりの考えをまとめて表現する訓練につなげたいと思っているのです。

■最後に受験生・高校生へのメッセージをお願いします。

 英語を使うには、文法・単語・発音などの英語力が大事ですが、それ以上に自分の考えを表現することや自分の中に話せる話題を持っていることが大切だと思います。英語はあくまでも道具ですから、それを使って何を話すかが重要なのです。
 ですから皆さんには、自分を表現することを恐れないでほしいと思います。また、何事も恥ずかしい、どうせだめだと思わずに、まずは挑戦してみること。すべてはそこから始まります。挑戦することでいろいろな経験をし、自分の考えがまとまったり、話せることが増えたりしてきますからね。そういう姿勢を大切にして、ポジティブに人生を楽しんでください。

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