皮膚進化細胞生物学(松井 毅)研究室
研究内容 |
皮膚は人体の中での最大の臓器であり、外側から表皮・真皮・皮下組織からなる構造を持っています。表皮は多層構造を持った上皮組織であり、その最上層には角層(角質層)と呼ばれる死んだ細胞層が存在します。この角層はデボン紀後期に両生類が陸上進出を果たす際に獲得され、両生類・爬虫類・鳥類・哺乳類のような陸上脊椎動物のみが持っており、陸上生活を営むためのバリアとなっています。角層は顆粒層の最上層のSG1細胞が特殊な細胞死コルネオトーシスを起こすことで形成されます。私達は、マウス皮膚表皮から顆粒層細胞を分離し、細胞生物学的な解析が可能な系を構築しました。さらに、生体内におけるコルネオトーシスを観察する系も構築してきました。これらの系に加えて、コルネオトーシスが起きる瞬間に対して、光学顕微鏡によるライブイメージングと電子顕微鏡解析を組み合わせる系(光-電子相関顕微鏡法)も構築しています。このような様々な手法を、両生類・爬虫類・鳥類・哺乳類といった陸上脊椎動物の皮膚表皮に適用することにより、進化細胞生物学の観点から、皮膚の適応進化メカニズムを明らかにしようとしています。
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研究テーマ |
・角層形成機構の解析 |
研究室ページ |
研究キーワード |
皮膚 , バリア , ケラチノサイト , 細胞死 , 適応進化 , イメージング |
関連するSDGs |
担当教員 | ||
教授 松井 毅/マツイ タケシ/MATSUI Takeshi 専門分野:皮膚科学、細胞生物学、生化学、進化生物学 取材記事: |